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「はっ…あぁっ!…っん、あ、ああっ!」
薄暗い部屋にヤラしい音が木霊する。荒い吐息。鼻にかかったような喘ぎ声。交わる部分からはくちゅくちゅという濡れた音。
「ハアッ…ハッ…ハア…」
耳元では、後ろから覆い被さるように俺を抱く男の吐息が聞こえる。ベッドにうつ伏せになったまま男の高ぶりを受け入れてる俺はその吐息から逃げようもなく…その切羽詰まったような、低く掠れたその吐息を感じてゾクゾクと体が震えてしまった。
「あっ、んんっ耳やめ…、っ、はああんっ…!!」
「…っう」
中をキュッと締め付けてしまったのか、男が苦しそうに呻く。お返しだといわんばかりにガツンと奥の奥を突かれて目の裏がチカチカと白く光った。自分では届かない弱く敏感な部分を突かれ、身体中に電気が走り抜けるような感覚。そして。
「っ、あああああっ!!」
蓄積された快感が一気に弾ける。背を弓なりにそらせ壊れた玩具のようにガクガクと体を震わし、性器からはドロリと力無く白い液体を溢れさせる。もう何度目かもわからない射精に体が弛緩し、ベッドに倒れこんでしまった。
「ほら、休むな…」
男が腕を引っ張り、無理矢理起こそうとする。俺はこのまま寝てしまいたいという願望をなんとか押さえ込み起き上がった。誘導されるままに男の膝の上まで移動する。
「腰、さげて」
「ハア、はあ…わかって、る…」
自分でできる、と男の腕を突き返し、ゆっくりと腰を下ろした。男のそれはまだ張り詰めたままかなり大きい。達したことである程度は体も柔らかくなっているがそれ以上の負荷がかかる大きさだ。
今度はもう少しうまい料理を奢ってもらおう。
そんなことを考えながら、腰を上下させた。くちゅっくちゅっと粘り気のある音が溢れてくる。
「あっ…あっ、ああ…!んっ、」
上下に揺れる視界に頭をクラクラさせながら、目の前の、満足げに目を閉じる男の顔を見た。ふと部屋を見回してみる。部屋に置かれているクローゼットには皺一つないスーツがかけられていた。俺の視線に気づいた男が瞳を細めて尋ねてくる。
「…おい、何を見ている?」
「いやべつに、あんたこんなとこでコンナコトしてていいの?」
コンナコト。その言葉を発するとき、俺は腰の動きを出来る限り激しめにしてやった。ぐちゅぐちゅっと中を掻き混ぜられ、中にあった液体が溢れだしてくる。
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