第1章

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霊感が強い職場の先輩に、今日は気を付けてと舞は言われた。 普段から、からかいの対象になる彼女ではあるが、今回のあの先輩のおどろおどろしい目が忘れられず、コンビニからの夜の帰り道、彼女は少し早歩きで帰った。 ――あなた……。誰に何したの! そう言われたのは初めてのことだった。 あまり覚えはない……はずではあるのだが、舞は思考を繰り返す。 しかし、何度考えても思い当たる節が全くない。 コンビニで見繕ってきた酒と弁当を広げて食べ始める。 食べ終わった後、残骸をおざなりにゴミ箱に突っ込み、舞は風呂へ向かった。 シャワーをひねる。 その横には、 舞が懇切丁寧に作り、 一生懸命念じながら打った、 藁人形が風呂のタイルに刺さっていた。
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