第1章

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別段不思議なことではない。これは舞にとって日常となっているのだから。 非日常的なことでもそれが連続的に起こればそれは日常。 舞は『宇都宮』と書かれた紙に刺さる釘を、そばにある金槌で再度打ち付けた。 鏡はは何かを映すように黒く光っている。 「死ね」 カーン 「死ね!」 カーン 「死ね!!」 カーン 三度打ち付ける。 思い出すのは高校時代に自分を学校の異物扱いしたあの女。 「死ねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 カーーーーーン!!!!! 甲高い音が風呂場に響く。 そして反響し、音がシャワーの音のみになる。 『……だわよ』 「え?」 目の前の鏡をみる。 『死んだわよ。あんたのおかげでねぇ!!!!』 血まみれの服に、やつれた髪。 眼が膿んでいる。 腰が抜ける。足が震える。 『あんたこそ死んじまえ!!!地獄をみろ!』 ピキッっという音とともに鏡が割れ、シャワーの横に刺さっていた藁人形が落ち、風呂場の床が血で染まっていった。
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