黒田山

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黒田山で寝るなんて怖い 一晩中、起きていよう。思っていたアタシの決心は脆かったらしい ・・・・・・トイレ 乙女が口に出し難い理由で目が覚めた うう、どうしよう 目を開けるのは怖い、怖いけど起きなければアタシの膀胱が限界を迎えてしまい、ちょろり イヤーーー 泣き叫ぶだけではすまない事態を迎えそう ここが黒田山でなければトイレに男子は誘わない、けど、山の恐ろしさを体感したアタシには選択の余地はない (く・・・・・・窪田先輩) 目を開ける前に小さな声で、頼りになる人の名を呼んだ ギシッ 床が軋む 隣に寝ていると思っていた彼は起きていたらしい。ついでに駿と光輝も、ひそひそと話す声が聞こえてきて 「何だ、起きてたの?」 安心したアタシは目を開け、見てしまった。三沢さんに覆い被さる男の影を 状況を理解した一瞬後 目を見開き、口も開いたアタシは誰かに抱きかかえられ、パニックに陥った やだやだやだやだやだ 助けてお願い助けて 金縛りにあったように動かないアタシの手足。やだ怖い、何されるの 呼吸が苦しい、キーンと響く耳鳴り、全身から噴き出す汗。ふぅっと気が遠くなりかけたとき 「おい莉乃。起きろ、目を覚ませ」 ペチペチ 乙女の柔肌な頬を叩く不埒者が駿、だと気付いた。やだもう、やだ 「バカバカバカ駿のバカ!」 「は? え、何、寝ぼけるなよ莉乃」 莉乃って呼ぶなバカ駿
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