黒田山

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怖かったんだから、黙って抱きついてくるなんて最低よぉ ベチベチベチ 両手で駿を叩きまくっていたアタシの腕を掴み、宥める口調で言ったのは窪田先輩 「落ち着いて中本さん。キミだけが頼りなんだ」 駿は起きていた。ただし、アタシの隣じゃない 少ない布団をアタシと三沢さんにかけて、神社の壁に寄りかかり、座って、窪田先輩と光輝と三人で夜通し話をしていた 黒田山でいったい、何が起きているのか、何に対して怒っているのか アタシと三沢さんの体験を語り合うことで、解明の糸口を探そうとしていた ・・・・・・と言うことは 「みみみみみ三沢さんが襲われてて 悲鳴が ぎゅってされて動けなくて」 「やーだー、わたしが襲われる? 窪田に? チビは駄目ね、窪田に懐いちゃってわたしに吠えるもの 焼き肉にして食べてしまおうかしら ねえ、朝食にどう? 美味しそうだわ」 ・・・・・・・・・・・・・・怖い 見た目だけは三沢さんなのに、別の人だ 彼女から目を逸らしたアタシを庇うように、駿と光輝が前へ出て、三沢さんの姿を隠してくれた でも、原因は 三沢さんが三沢さんでなくなった原因はやっぱり、あの不審な男しかいない 涙が出る 泣いている場合じゃないのに、アタシも変貌していたかもしれない恐怖と、異変を窪田先輩に知らせることの出来なかった情けなさで涙が溢れた
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