黒田山

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「三原さんに取り憑いたアレは中本さんに怯えてた。キミと三沢さんの差は何だ、幼なじみの四人、子どもの頃用水路で遊び恐ろしい眼を見たまでは同じ。だが、変わったのは三沢さんだけ。最初は彼女の身にだけ特別なことが起きたと考えていたが違う、だったら何か、夜、駿と光輝に過去に起きた話を聞き直し、今までの考えを捨ててみた。中本さんの傍にいたから駿と光輝は狂わなかったんじゃないかと」 神社の外で薄青い光が点滅してる。ちらちら動いてる、まるで、出入り口を探すように 「・・・・・・どいうこと?」 「用水路で転んだのは中本さんだけ。その時、キミは何かを拾ってないか」 それはない。あの用水路から何かを拾い持ち帰るなんて恐ろしいことアタシ、してないよ 光輝がアタシの手をとる 乱暴に引っ張るけど足がガクガクして立てない、駿がアタシを背に庇う。窪田先輩が近づいてきた三沢さんと対峙した 「いや! 窪田嫌い!」 彼女の背中から奇妙な音がする。何の音か分からない、聞いたことのない、この世には相応しくないけど、黒田山ならあってもおかしくない音を響かせ、体をくねらせる三沢さんの指がアタシをさす 「食べようよー、軟らかくて、美味しそー。莉乃の心臓は光輝にあげる、内臓は駿にプレゼントするから、つれておいで、こっちにおいで」 もうイヤ、怖い怖い
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