迷子

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「ブァーカ!」 変にドキドキしたアタシも、明らかに言いかけた言葉を飲み込んだ駿も、バカだ馬鹿 困った顔をした光輝も ヘタレな駿も 意地悪な三沢さらも、みーんな吹き飛ばす勢いで 「アタシの机に着地!」 鞄を高く投げた 中学生の部活でPTA許可のもと、心霊スポット探検隊やオカルト研究会があるのは珍しいらしく、他県の先生たちがときどき教室を覗きにくる そんな日は「視察だ。美穂リンがスーツ来てるぜ」大人たちの顔を潰さないよう、背筋を伸ばして静かに授業を受けるのだ 「あ!」 言ったあと、椅子から転げ落ちて笑う雅ちゃん なんだなんだ? 雅ちゃんの真似をして窓から校庭を見下ろせば「うひゃあ、眩しい」日差しを跳ね返すピカピカの頭があった ギャハハハハハ い、息ができない 腹筋が痛くなっても、止まらない勢いで笑うアタシたちは美穂リンが教室に入っても、転げたまま笑ってた 「授業中は笑わないようにね」 はーい ぶつぶつと小言を言い尽くした担任の美穂リンに、痛む腹筋を押さえて返事をした 「昨日、気になることがあったの。電気を消した部屋に口笛が聞こえてきてさ」 「ほう?」 由美の話に耳を傾けたのは窪田先輩 オカルト研究会の中でも、大の怖いもの好きで、視える人だ 窪田先輩に遅れて、アタシも椅子を引きずり由美に寄っていく
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