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「それって、誰かが夜中に口笛吹いただけじゃないですか」
声を発したのは三沢さん
「思ってたよりバカっぽいし、スッゴい怖がりの集まりって感じ」
蔑んだ言い方をする権利がアンタにあるの?
カッとなって
立ち上がろうとしたアタシの腕を、ぐいっと引いたのは駿
「それって、オカルト同好会への宣戦布告? 持ちつ持たれつだと思ってたのは気のせいかな」
それは・・・・・・
ふてくされた顔のまま、グロスを塗りたくった唇を尖らせた三沢さんに苛々する
「俺は窪田先輩の意見が聞きたい。黙っていられないなら出てくれるかな」
「え? ゃだ わたし」
アタシも驚いたけど、光輝の冷たい視線に狼狽えた三沢さんは、もっと驚いてるみたい
唇を震わせて
今にも泣き出しそうな顔してる
「言い方がキツいって、光輝ちゃん」
「ちゃん?!」
「駄目よ、大声を出したら」
しー
人差し指を口にあてた駿のキモ可愛いツッコミに「悪かったよ」張り詰めた空気が和んだ
三沢さんの顔色も戻ったし
心配そうに見守っていた由美も安心したように笑ってる
「実はさ、黒田山の神社に参拝に行った人が行方不明で捜索願いが出てるんだ」
・・・・・・・・・やだ
黒田山に神社が奉られたのは、あそこに処刑場があったから
過去の歴史を隠してないこの地には
ネットで調べた心霊スポット好きが、肝試しに訪れる
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