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今日の私はおかしかった。
自分で言うのもどうかと思うけれど、いつもと違う自分を自覚していた。
今日、部活を引退したせいかもしれない。
誰にも言えずにずっと好きだった、親友の彼氏のせいかもしれない。
部活が同じで、好きになったのはきっと私が先だった。
「私、朝陽くんが好きなの。」
彼に気持ちを打ち明けたのは、親友が先だった。
私が先だったと知ったら、私を好きになってくれたのかな……部活中、私に見せる彼の笑顔に、心の中で何度も問いかけた。
最後の部活が終わって、片付けも終わった。
制服に着替え、見納めにと向かったコート。
誰もいないはずのコートに、ひとりぽつんと寝転がって天井をあおぐ彼の姿があった。
何も考えていなかった。
ただ、高揚した気持ちを隠すように、そっと静かに彼に向かって歩いていた。
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