なぜこんなことになったのか、分からない。

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 今日の私はおかしかっただけ……。  校舎裏、水道の蛇口をひねり、顔を洗いながら、繰り返す言い訳と親友への罪悪感も必死で洗い流した。  明日からは、またいつもの私に戻れるはず。  バケツにたまった水が私の顔を映し出した。  なんだか、見慣れない私の顔がこちらを見ている。  今日、私に目覚めた何かが消し去れない、そんな焦燥感にかられながら、水面に映る顔を見つめた。  ふいにバケツの水面が歪み、今まで確かに見つめていた顔が歪んだ。  水面に映る顔に違和感を覚え、凝視していた視線をゆっくりと移動させ、背後を恐る恐る振り返った。  「……は。」 背後に誰もいなかったことに安心し、私は止めていた息を吐き出し、視線をもとに戻した。  「ひっ!」  水道の蛇口を挟んで、私の前に立った親友がうっすらと笑みを浮かべている。  「今日の私はなんだかおかしいのよ。」  さっきから頭の中で繰り返した言い訳が、意味もなく私の口から流れ出た。  「そうね……だけど、今日は私もおかしいのよ。」  両端を少し上げた親友の唇が、私と同じ言葉を紡ぎ出すのを見ながら、私は意識を手放したい衝動に駈られていた。
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