第1章

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 苛々したように言う言い方はどこで覚えてきたのだろうか。 それに、相変わらずカレーばっかりだ。  小夜はそれだけ言うと、扉を閉めて行ってしまった。  俺は風呂から出ると、Tシャツにジャージを着て、コハルと小夜が待つリビングへ行った。  今は1LDKの部屋に住んでいる。  小夜との約束通り、部屋も住み替えたし、その後は上手く妊娠だってしたのに、どうして俺は幸せだと思えないのだろう。 「おっ。カレーの良い匂い」 「今日はシーフード」 「美味そうだな」  小夜は台所で盛り付けてくれているらしく、声だけ聞こえてきた。  コハルはどこだろうと探すと、ベッドにいた。  俺は早速コハルに思考で会話をしに行く。 『コハル』  おもちゃで遊ぶコハルは、俺にビックリしたようで目を見開いた。
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