第1章

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『なに。お父さん』 『今度一緒にタイムトラベルしないか』 『え? うん。どうして?』 『聞いて欲しい話があるんだよ』 『今言えばいいでしょ』 『そうだけど、小夜が苛々してるから話せない』 『ふーん。大変だね』 「コハルは私が見るから、さっさと食べて」  苛々しながらカレーをテーブルに置く小夜を目の隅に捉えながら、コハルに言う。 『ほらな』 『本当』  俺達はクスリと笑い、そして俺はベッドから離れるとカレーを食べにリビングに向かった。1LDKとはいえ、子育てをするには狭いし、早く一軒家が欲しい。 「コハルの事、最近やたら構うし好きだよね?」  小夜は俺の向かいに座り言った。  いつもなら、コハルが心配だからと言ってすぐに行ってしまうけれど、今日は違うらしい。  嬉しいやら、困るやら。
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