第1章

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 “天使”…彼女を言い表すならそうだろう。無垢な白翼を羽ばたかせ、紅の雨の中で天使はその光景を無表情にただ見ている。  彼女の長い黒髪や纏う和装束は残酷な深紅に染まりながらも、幻想的な美しさを放っている。彼は、ただその光景を見入っていた。  それが彼女…鈴音(すずね)とのであいだ。
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