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担当の教師が注意する。
教師「早く席に…」
しかし、正矢は教師の言葉など耳に入っていない。無言で自分の机へと歩く。
教室中の視線を浴びながら、彼は机の横の鞄を取る。すると、鞄を開き、徐に机の出し入れ口へ突っ込んだ。
バン!…正矢が机の正面を叩いた衝撃で、中の教材が鞄へと滑り込む。皆が唖然と見るなか、彼は鞄を担いで、窓の桟へ足を掛ける。
正矢「気分が優れないので早退します」
えっ?…と周りが口を開いているなか、正矢は身を引いて勢いをつける。
級友「ここ二階だぞ?」
前の席の男子生徒がそう呟くなか、彼は窓から身を乗り出した。
正矢「デヤアアアア!」
女生徒達が小さな悲鳴をあげる。クラスメート達は窓へ詰め寄り下を見た。
土煙を巻き上がっている。体育の授業でウォーミングアップをしていた生徒達は、驚きで瞬きを繰り返している。
煙が晴れ、膝をついていた正矢がゆっくりと立ち上がる。次の瞬間には、目にも止まらぬ速さで彼は裏門へ駆け抜けた。生徒達は呆然として固まる。
級友「あれのどこが…体調が優れないのだ?」
男子生徒の言葉に、全員が同意するように頷いた。
希原宅(朝)
学校を出から数十分掛けて、正矢は家に帰ってきた。人の多い場所の方が安全かもしれない。しかし、他の場所は時間帯から面倒事になる可能性がある。
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