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それから三日後の、夜九時のこと。
日本の横浜にあるクライムのアジトには、メンバーの一人の男が息を切らしながら、部屋の中まで走ってきた。
ボス・ヤンをメンバーが取り囲み、緊迫した空気が流れていた。
「それは本当か!?」
「はい。警視庁の中に紛れ込ませている『イヌ』からの連絡です。間違いないです!」
「そうか…」
「ヤンさん。ジンへの連絡は、どうします?」
「俺がする」
ヤンは、黒い携帯電話を開いた。
「ちなみにヤンさん、日本語で話してくだせぇ。俺らも、会話を聞きたいんで…」
日本人メンバーのひとりが、ヤンの携帯と繋いだイヤホンを、自身の耳につけながら、そう言った。
「おうよ。俺は、日本語は読めないが、話す事は出来るからな。心配すんな」
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