#1 ~声~

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それにしても、相変わらず可愛い制服。 紺色のブレザーに白のブラウス、チェックのスカート。 胸元のリボンは選択出来て、デザインもオシャレだから、前々から人気があった。 けれど、それを身に着けるのには条件があった。 言うまでもなく、高校に合格すること。 当時の私にとっては、偏差値が驚くほど高くて、毎日必死になって勉強してた。 その甲斐あって、私は高い倍率をくぐり抜けることができた。 けど、私は第二志望だった高校に通うことに決めた。 理由なんて決まってるから、話すことすらバカバカしい。 後悔はしてない。 校舎も綺麗だし、先生も変な人はいないし。 ただし、それまでの道のりは除いて。 毎朝の恒例行事になりつつある―――なっている、通勤・通学ラッシュ。 特に夏。暑くて、熱中症になってしまいそうな勢い。 今は春先だから、割と快適な方。 そして、壮絶な座席争奪線。 152センチとチビな私は、何かと不利になることが多い。 一見身動きが取りやすそうに思われるけど、実はそうでもない。 大柄で力の強い部活生や、大人には勝てっこない。 今でもそれは変わりなし。 幸運なことにも、今日は吊革に掴まって、ギリギリ体勢が維持できている。
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