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「高台、寧々さん?」
彩綾がそう聞き返すと、寧々は黙って頷いた。
「失礼ですが、生駒さんは1-xについての説明を扇町先生からうかがっておりますか?」
「1-xの説明ですか?…いえ、案内された時に“末裔たちの教室”だと説明されたきり」
少し考えてみたが、扇町からは“末裔たちの教室”という説明以外は何も受けていない。
すると、寧々は「あのクソ扇町……。さては説明するのが面倒で私に押し付けやがったな……」と、今までの寧々の態度からは想像がつかない言葉を吐き出した。
「あら、失礼したわね。つまり、生駒さんは扇町先生から何も説明を受けていないのよね?」
「はい。何も」
寧々はしばらく考え込むように、後ろを向いた。
その間に、愛が寧々にささやく。
「さっきの、聞こえたでしょ?寧々ちゃん、怒ってない時は優雅なんだけど、苛立つと途端に口調が汚くなるの」
途端に寧々がクルリと振り返り、さては今の会話が聞かれていたかと身構えたが、聞こえていなかったらしくそのまま1-xについて話し出した。
「1-xは、武将の末裔であり変人が異常に多いクラスなの」
「末裔?」
「そう。言ってしまえば、豊臣秀吉とか、徳川家康とか、織田信長とかの末裔がこの学校にいるの。で、その末裔たちが集結されたクラス…それが1-xよ」
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