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帰り道、たまにはと思い廃駅の方から帰る見覚えのある長い黒髪の少女が座っていた。
B「あれ? 早月じゃん。 ここ廃駅だろ? なにしてんの?」
訪ねると少し驚きながらも平然を装い眼鏡の位置を直し少女は答える。
A 「見ての通り読書よ。 帰っても弟たちが煩くて本も読めないから ここで読んでるの」
彼女は学内でもあまり目立つ方ではない。しかしそんな彼女が少し気になっていたのも事実だった。
B 「へ、へぇ、そうなんだ。 ちなみになに読んでんの?」
ふと、訪ねると少し頬を赤く染め、こちらを見て
A 「廃駅に一人いる少女が偶然通りかかった男の子に一目惚れする話よ。 今の私たちみたいな状況ね」
笑顔、というには少しぎこちないがとても可愛らしい。そう思える笑顔だった。
B「そ、そうか・・・」
少年は、自分の感情に気がつき、同時に彼女も自分の感情に気づく
二人の恋の話はここから始まる。
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