スキー場編

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初心者が上級者コースに挑むだなんて、 「無謀な考えは止めておけ」 という龍一に、 さんざ駄々をこね、頬を膨らませ、結局は言い出したら聞かないのが美百合である。 「我がままで俺を困らせろって言ったのは、龍一じゃない!」 挙句の果てには、こっ恥かしいプロポーズの言葉までを引っ張り出してくる始末。 皆人はうひゃうひゃ喜んでいるし、乃亜はどうしていいかわからない顔をしている。 こうなったら、龍一が折れるしかないのだ。 古今東西、どちらが正しいとか、どちらが間違っているとかの問題ではない。 所詮は、惚れた方が負け。 この世で唯一、膝を屈する美百合を前にして、いかに龍一でも、どうすることも出来ない。
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