温泉編

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それから1時間。 皆人は敵に見つかることなく、時をやり過ごすことが出来た。 龍一がことさら目立つ行動をとって、敵を引き付けておいてくれる効果が大きいのだろう。 「あの兄貴に、真正面から立ち向かわなきゃならないなんてね」 敵ながら気の毒になってくる。 それにしたって、皆人は足がしびれてきた。 図体がでかい上に、背中には和人を背負っている。 精一杯隠れているつもりで、木の陰にしゃがんでいたのが悪かったらしい。 いざ敵に見つかったとき、駆け出せるか不安になるほど、しびれている。 ちょっと目立つかもしれないが、 「よっこいしょ」 皆人は立ち上がることにした。
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