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男は皆人の、ちょっとその辺では見ない容姿に目線を移し、少し考え、
「安心しろ、俺にその気はない」
と言った。
それでも、
「でも、よく見ると……」
男は、皆人のはだけた浴衣の胸元を見、和人を背負っているために胸元で縛ったようになっているロープを見た。
「悪くないかもしれん」
やーめーてーくーれー!
皆人、心の叫び。
確かに自分の武器には『色気』があると考えたが、こんな自分が一歩も動けない状態で発揮したくない。
気持ち悪い。
和人に見られるわけにはいかないから、声を殺したまま、変態に好きにされる自分の図を想像して、皆人は真剣に吐きそうになった。
皆人、絶対絶命のピンチ!
子連れ狼、貞操の危機。
イケマセン、子どもに聞こえます。
自分でもよくわからないフレーズが頭の中をぐるぐる回る。
とにかく、皆人は追い詰められてしまった。
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