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それで女性陣だけをロッジに残し、皆人と龍一のふたりで滑っていたのだが、
『兄貴とみゆっち、いつもべったりのエロ夫婦だから、たまに離れてるのもいいかもねー』
皆人は呑気に考えていた。
気に入らないが、龍一が器用なお陰で、どうやらボードも楽しめそうだ。
「兄貴なあ、も一回、リフト行こうぜ」
何気なく誘って振り返ったら、
そこに雪も溶けそうな、怒りの炎を噴き上げる龍一を見つけた。
『何事か!?』
龍一の視線の先を追えば、テラスからこちらを見ていた美百合と乃亜に、声をかけている3人の男たち。
「あのヤロー! 俺の乃亜ちゃんに!」
腕まくりして、足からボードを外そうとしたら、
――チャキッ――
傍らで愛銃ベレッタを構える、我が兄、龍一がいた。
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