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そんな寂しい思いを、この際だから龍一にも味わってもらおうと企んだのだが、
「確かに、スキーとは重心の取り方が違うな」
龍一は納得したように呟きながら、その場で、
バウン
前方を浮かせて跳ねて見せる。
『重心の取り方が違う』
と言いながら、それでもトリックの基本のオーリーをこなし、上級者コースを平然と滑り降りてくるのだから、
「ったく、イヤミったらしいヤローだぜ」
苦労して滑れるようになった皆人が、憎まれ口を叩く気持ちも、わからないではない。
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