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二番線電車がまいります。
蝉の鳴き声が遠くから聞こえてくる。
少女は電車を待ちながら本を読んでいた。
「あの」
少女の前に若い男性がスマホを持って声をかけてきた。
「何ですか?」
知らない人に声をかけられ、戸惑いながらも返事をすると、男性はスマホを渡してきた。
「それじゃあ」
「え、ちょっと」
男性が去るとスマホから電話がかかってきた。慌てて出ると、老いた女性の声だった。
『そこから去って!早く!』
あまりにも慌てていた声だったため、言う通りに駅から出た途端、電車が駅に突っ込んでいた。
(私があそこに留まっていたら……)
そんなことを考えていたら、ふと少女はさっきの声を思い出した。
(…あ、もしかしてあの声は)
死んだおばあちゃんの声…
その時、少女の手にはスマホは無くなっていた。
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