第1章

5/8
前へ
/8ページ
次へ
Bクラスの教室は新校舎5階のLL教室。 LL教室はただ広いだけの空き教室。 私はその教室の1番隅っこの席。 まあ、『若林』なんて苗字だから、座席はほぼほぼ後ろの隅っこ。 この教室の隅っこは、窓から本校舎が見える。 5階だから本校舎の様子はほとんど丸見えだ。 チャイムギリギリで教室に滑り込む同級生も、遅刻して2時間目から来る人も、廊下でニヤニヤしながら電話してる先生も。 授業が始まるまでは、ただ見てるだけで面白い。 1年は6階の教室からふざけて上履き落とそうとして遊んでるし、2年は廊下走り回ってる人いたり、カップルが廊下で仲良さそうに話ししてたり、3年は教室で勉強してる人が多い。 やっぱり、3年の階は落ち着いてる。 それでも目立つ人はいるんだけど…例えば、 廊下で男の人と笑いながら話すあの女の人。 下級生から絶大な人気を得ている学校のアイドル、結子(ゆうこ)さん。 背が低くて、華奢で、目が大きくて、髪の毛とかサラサラで、すれ違うと良い匂いがする女子の憧れでもある人。 その結子さんと話しているのは、3年で1番カッコ良い男と言われる山中センパイ。 背高いは、スポーツ出来るは、優しいは…そんな人があのアイドルと並ぶと、芸能人を見ているかのようで… あー、可愛いなぁー ってただニヤニヤして見てしまう。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加