第1章

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しかし、授業が終わるとまた嫌な時間が来る。 今日は水曜日。 英語の授業は4限にあるから、授業が終わって渡り廊下を通る頃には3年の先輩達が渡り廊下でランチタイムを始めるのだ。 先輩がいるというだけでしんどいのに、その先輩方がカバンを広げ、お昼ご飯を召し上がられている所を通るというのは本当に恐縮する思いで…… これからの水曜日が憂鬱で仕方ない。 渡り廊下には先輩達の笑い声が響いている。 その笑い声はもちろん彼らの会話の中で出たものであって、たぶん私に向けられた笑いではないと分かっている。 分かっているのだけど…自分に変な所があるから?!と思ってしまう……自意識過剰だ。 あー、早く通り過ぎよう。 そう思って足早に渡り廊下を歩いていた時、向こうの階段からたかちゃんが手を振っていた。 どうやら購買に行くらしく、財布を私にチラつかせながら「早く早く」と口パクで言っている。 たかちゃんの姿を見て安心した私は、駆け足で渡り廊下を抜けようとした時だった。 渡り廊下のドアからこちらに人が出て来た。 わっ!と言う間もなく、私はその人に思い切りぶつかってしまった。
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