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「ど、どうかな?」
彼女は本から顔を上げて、読書を中断させてしまった僕をみた。
「文章は読みやすい。描写もしつこくなくて、読者も展開についていける」
「よかった」
僕は安堵した。息を止めていたかもしれないほどに。
「でも気に入らないことがあるわ」
淡々と語る彼女の顔が、少し不機嫌になったのが分かった。
僕の心臓が締め付けられるぐらいに。
「主人公の女子高生の描写が詳しすぎる。まるでモデルがいるみたい。誰なの?」
「……Aさんです。えと、貴方をモデルに新人賞を取りました!」
彼女は気づいてくれるだろうか。
この告白を。
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