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いくら性能のいい耳栓をつけても、音によって向き不向きがあって、
必ずしもあらゆる音を遮断してくれるわけではなかった。
だから普段は誰もいない静かな図書室で過ごし、
放課後になって図書委員が来る前に、
生徒の寄り付かないトイレの個室に潜んで、
騒々しさをやり過ごしてから下校している。
誰もいないという点のみを優先していたから、
トイレは男女を気にしなかった。
そんな生活を1年以上続けた。
給食やその他プリント類は、担任の先生が図書室まで持ってきてくれて、
生徒の誰にも気付かれる事なく、毎日登校しては下校した。
自分が何のために学校にかよっているのか、
そんなことは考えもせずに、学生としての義務をこなし、
先生方から見放されて、登校できなくならないように、
成績優秀を保つためひたすら勉強した。
校庭ではしゃぐ男子たちや、教室で雑談する女子たち。
みんなと同じ、友達がいて、部活に励んで、学校が楽しくて……
私も、そんな生活を送りたい。
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