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そう言った彼の姿は、壁の向こうにひょいと消えた。
すぐに、私のいる個室のドアがノックされる。
(うっ……ノックの音は、少しキツいかも……)
「ところで……いつまで筆談を続けるのかな?
時間がかかるし、会話の効率も決して良くはないと思うんだけど。」
その言い方に少しイラっとして、思わず口を動かした。
声は出していない。ただ、口を動かしただけ。
ちょっと……そう……
ほんの少しだけ、いじわるしようと思ったのだ。
<きこえる?>
「うん。聞こえるよ。」
驚いた。
この男の子は……
私の言いたい事を理解してくれている。
こんな友達ができたら、なんて素敵だろう……
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