#03 * 歌子

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少し長い黒髪は、耳までかかっていて、 少し長い前髪は、まぶたまでかかっていて、 その奥に優しそうな瞳が見えて、不思議な声で話す…… きっと、どこまでも優しい人なんだと、そう確信した。 「君、名前は?」 <か じ や う た こ> 伝わりやすいように、ゆっくりと言ってみる。 彼は、少し考えているようだった。 「君が、梶谷さん……?」 <うたこでいいよ> 「う、うたこさん…」 <あなたのなまえは?> 「古谷 雪将。」 <ふるやくん> 「雪将でもいいよ。」 <よろしくね、ゆきまさくん>
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