保健の先生・その後

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「ほら!ウェンディも手伝う!」 「ウェンディちゃんは関係ないだろ? 冥ちゃんが『ひと暴れ』したからだろ?」 「ぇーと…わたしもちょっと噛んでますので…」 「ふーん。僕も女の娘に、 処罰を与える程厳しくはない。 片付けが終わったら出てってくれ。 あ、もう保健室では <タレント>を使うのは辞めろよ。 保健室は傷を治したりする所で、 傷を付ける場所ではないからな」 男に対してちょっとは優しくしてくれ。 と、言ってやりたかった。 「…で、ナル君。バレなかったの?」 「咄嗟(とっさ)にウェンディに 『波長を合わせて』Tellしたから、 何とかなったよ…。僕にしては かなり機転のきいた対処だったよ」 「波長を合わせる」とは、今の 埋め込み型ケータイでは、番号なんて 時代遅れなモノは存在しない。 お互いが「フレンド登録」していれば、 Tell出来るようになっている。 「フレンド登録」している人なら 「波長が合う」などと言ったりする。 埋め込み型ケータイを販売する 各社がCMの為に広めた言葉だ。 あなたと 波長を、 合わせたい。 (動向網(どこも)のキャッチコピー)
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