保健の先生・その後

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「ナル君にしては凄いね」 「にしては」ってのが気になる。 普段の僕はそんなにダメダメですか? まぁ、個人的にかなりの機転で 正直驚いているが。 「あ、アヤちゃん。理ノ家が プリン買って有るって言ってたよ」 「ぷぷぷぷぷ、ぷりんっ!」 すげーアヤちゃんの目が輝いてら。 そんなに良いモノかね。 男の僕にはよく分からん。 「駄目よアヤ。ぷりんに負けては。 ナル君が女の娘に戻るまではーっ!」 なんかよく分からないが、戦ってる。 アヤちゃんが葛藤と戦ってる。 「お」 アヤちゃんは僕を見る。 胸部を目視で確認すると、脱兎の如く 「ぷりん」へと向かった。 衝動を抑えきれないガキかよ。 僕が弁当を食べ終わっても アヤちゃんは「ぷりん」を堪能していた。 まるで、滅多な事では食べられない 超高級食材を食べるように、一口毎に 「ぷりん」を食べられる喜びを 味わいと共に噛み締めていた。 アヤちゃんは勿論だが、ウェンディも 僕が「ぷりん」を食べている時の あの「羨ましぃなぁ」目線が痛かった。 僕もさっきのプリンが旨くなかった。 と言えば、嘘になる。旨かったですよ。 当然ですよ。
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