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ウェンディと冥は教室へと戻って行った。
「はいっ。ナル君もセリフを覚える!」
ぶー。ぶー。と文句をぶつくさ
言ってみたが、アヤちゃんには通じない。
「あー、そうだ!」
「何!まだ何かあるの(怒)!?」
「アヤちゃんはさっき冥に
<タレント>使った?」
「え?何でよ?」
「アヤちゃんの<タレント>って
幻術じゃあないけど、人を操るタイプの
<タレント>じゃあないか?」
「鋭いわね…。でも、
さっきの冥には使ってないよ?」
「えっ?冥が自分から言ったのって
アヤちゃんの<タレント>で
言わしたんじゃあないの?」
「いくらわたしでも、そんな簡単に
人を売るような事はしないわよ!」
「じゃあ…?」と言いかけて、
僕は気付いてしまった。
どうやら冥は良心の呵責で告白した
ようだと勘づいた。
冥の中で、自分がしてしまった
破壊に対する責任から逃れる事が
出来なかったのだろう。
幼い頃から、悪い事をしたら責任をとれ。
そう教えられ、叩き込まれたのだろう。
理ノ家なら女子には優しいので、
黙っていれば見逃してもらえたかも知れない。
だが、冥自身がソレを許さなかった。
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