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6月終わりの校庭から吹き込む、少し湿った風。
今日は隣の席に、雪将くんが座っている。
雪将くんはアルケミスト、私は昨日の続きを読んでいる。
夏を前に日差しは強まり、首元にじわりと汗がにじむ。
音を立てないようにページをめくった瞬間、
急に三つ編みがほどけた。
見ると雪将くんがいたずらしたようだ。
<ちょっと なにするの>
「そうした方が、可愛いから。」
(何を言ってるの、この人は……)
顔が熱くなるのを感じて、慌てて俯いた。
もう……びっくりした。あぁ……もう。
私は彼に向き直ると、思い切り睨みつけた。
何を思ったのか、彼は手を伸ばして私の頬に触れてくる。
(こっちは怒ってるのに、本当に何してるの、この人……)
そんなことを思っている矢先、彼の顔が少しずつ近づいてきた。
(なに……ちょっと、待って、待って……)
唇を塞がれて、頭が真っ白になった。
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