#04 * 歌子

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(……っ) べちん! <だめでしょ> 我慢できず叩いてしまい、自分でもびっくりして顔を背けた。 どうしよう……凄く驚いた顔してた……痛かったかな…… こんな時に雪将くんの心配なんて、私、どうかしてるのかも。 思わず笑ってしまい、それをごまかしたくて本を手に取る。  ーー彼の手が、私の手に触れた。 無視よ、無視! 雪将くん、熱でどうかしてるんだ、きっと。 「好きだよ。」 思わずページをめくる手が止まってしまう。 「歌子さんのことが、好きだ。」 うなずき 「まだ出会ったばっかりだし……」 うなずき 「信じて貰えないかもしれない、けど……」 うなずき 「でも、本当なんだ。」 うなずき 「その……っ……えっと、だから……僕…と……」 「つ、付き合っては、くれませんでしょうか?」
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