#04 * 歌子

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それからというもの、雪将くんは毎日図書室に来るようになった。 さすがに教室に行かないのか聞いたけど、彼は首を横に振った。 「教室には、僕の居場所がないんだ。」 <どうして?> 「分からない。いつの間にかそうなってたから……」 そう呟いた彼は、とても寂しそうな表情をみせた。 「でもいいんだ!僕はここがいい。  ここには歌子さんがいるし……他には……歌子さんもいるし。」 <わたししか いないじゃない> 「歌子さんがいれば充分だよ!」 彼は「しまった!」という顔をしてから、 慌てたように教科書にかじり付いている。 私は赤らんだ頬を隠したくて、同じく教科書に目を落とす。 あぁ……これは…… どうしたらいいものか……
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