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私は荷物をまとめて図書室を出た。
口元がにやける。だめ、止まらない。
学校をサボるなんて、初めてなんだもの。
「あら?どうしたの、うたちゃん」
台所にいたママがびっくりして出迎えに来た。
「どこか具合でも悪いの?」
<ママ れんらくもう どこ?>
「連絡網? 電話の下の引き出しにあるけど……」
<ママ おねがい 雪将くんにでんわして>
「いいけど……どうしたの?」
<雪将くんの いえのばしょ しりたいの>
「急にどうしたのよ……えっと、雪将くんって、苗字は?」
<ふるやくん>
「古谷さん……? 古谷さんちなら、ママ知ってるわよ?」
<え……?>
「あぁ! 雪将くんて、古谷さんちの次男坊くんね!
懐かしいわねぇ。そうそう、そんな名前だった!」
<どういうこと……>
「あら、覚えてない?
あなた、古谷さんちの子達と、同じ幼稚園だったじゃない。」
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