プロローグ

2/4
前へ
/17ページ
次へ
目が覚めたら異世界にいた!? なんて言ってしまうと、最近のライトノベルをよく読んでいる人であれば、はいはい転生乙。などと言ってしまうのだろうか。 多分俺は言ってしまうと思う。 この状況などは文字通りという言葉が相応しいのではなかろうか 流石に我が身に起きた事くらいはーーまあ理解こそ出来ないがーー大なり小なり把握出来るものだ。 胡座をかいたまま右を見ると、小学生が水彩絵の具をぶちまけた様な、歪で真っ青な木になる牙の生えたリンゴ。 手を伸ばしてみたら噛み付かれそうになった、随分とアグレッシブなフルーツだ。 そして遥か頭上には多分ドラゴン的な何かであろう翼の生えたトカゲ。 お前は是非ハトが何故あのような胸筋を手に入れるに至ったのかを知ってくれ、頼むからトカゲボディのまま羽ばたくな、目の前で生物学に立ち向かうな、ハト胸の存在意義を考えてやってくれ。 「……ふぅ」 残念だが認めよう、ここは自分がこれまで暮らしてきた世界とは違う、少なくとも日本では無い、そしてそれに重ねてもう一つ、この衝撃に比べれば幾分かささやかではあるが、非常に気になる疑問が一つ。 「…………何故に全裸」 一応言っておくが、俺に露出癖は無い。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加