急襲

15/27
前へ
/27ページ
次へ
それでも、地面に投げ出されながら俺は体勢を立て直し、片膝をついて敵を見据えた。 光刀は、しっかりと握り締めている。 『身を守るより、少しは攻めることを意識しろ。今の攻撃、君が怯まなければ私達の方が速かったはずだ』 自分の中でわかっているつもりなんだ。次こそは攻める。 「大丈夫!?和也君!」 直ぐ様、背後から杏奈が現れて俺の前に立った。 奴は約5メートル先で、静かに立っている。 改めて地上から奴を見ると、その姿は冷徹な“殺人機”であることが窺えた。 豪快で鋼鉄の肉体を持つ巨人。 プロレスラーの肉体を機械化させた様な体つきと、体中に備え付けれた武器は、まるでSFアニメに出てくるロボットを連想させる。 奴の頭がグルグルと動き、辺りを見回し始めた。 緑色の瞳から放たれる白熱灯。 その視線は俺と杏奈を素通りし、何かを探しているかの様に忙しく動き回る。 『何かを探しているようだぞ』 光刀の考えも同じだったらしく、奴の動きは俺達を殺す目的ではないようだ。 「レベル3200。オリンポスの住民が何故ここに……」 杏奈は、奴にDIMを向けながらそう呟いた。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

546人が本棚に入れています
本棚に追加