急襲

25/27
前へ
/27ページ
次へ
中に乗っていたのは、ブラウン色の髪の毛に白い肌、それに高い鼻と茶色の瞳が印象的な40代半ばの男だった。 異国の人ということは明らかであり、これまでにブラックアウトの世界でセスさんやミラさん以外は接触したことがなかったので妙な驚きを覚える。 これまでに数えきれない修羅場を潜ってきたことは、醸し出される雰囲気から一目瞭然だった。 『あの女が言っていたレベル3000。それが身に纏っていた機械なのか、本人自身なのかが気になるところだな』 確かに……。あのロボットは能力なのだろうか? それとも支給されたり、どこかで手に入れた物なのだろうか? 『おそらく能力ではない。能力ならば、電流によって故障した時点で消失する可能性が高いはずだ。故障した物を維持していても命力が無駄になるだけだからな。そもそも能力に故障があるかすら怪しい』 光刀の冷静な考察は、納得のいく頷かせるものがあった。 「──!」 そんな話を聞いている最中、ロボットに乗っていたパイロットの男が思いがけない行動に出たのは、その直後だった。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

546人が本棚に入れています
本棚に追加