BLACK★STAR

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三年経てば少しは成長するだろうと思っていたが、出逢った頃と姿はあまり変わらない。 現在も幼いわけだが、その容姿は年齢よりも若く見え、本当に幼い子供という印象を受ける。 そんな空が作り上げた能力には、チーム内の全員が感嘆した。 「へ~んしん!」 まるで、特撮ヒーローの様にポーズを決める空。 白光が全身から放たれ、空の体に異変が起きる。 いや、正しくは空の体の周囲と表すのが的確だろう。 全身を包み込む、アニメのヒーローが纏う様な屈強な武具。 ヘルメットが空の頭を覆い、取り付けられた硝子が瞳を隠す。 胴体と足を包み込む、どこか近代的な印象を受ける頑丈そうな鎧。 まあ、能力名がヒーロースーツって言うぐらいだからな。 変身を終えた空の姿は、本当にアニメのヒーローが着ていそうな格好だった。 この能力を使い始めてから、空の潜在能力は一気に開花した。 「さあて、あの蜘蛛共をぶっ潰してやるかな」 片腕をぐるぐると回しながら、大量に群がる蜘蛛を冷静に見定める空。 そうだ。総合的に長けた能力で、強いて言うならば、圧倒的な力と凄まじいと思わせるスピード。 空が地を蹴って、敵を目指すと。 走り出した場所の地は、その踏み出した時の力強さから激しく抉れ、僅かに花の下にあった砂埃が舞い上がった。
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