BLACK★STAR

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ルイが操る牛若丸が、スピードを極限まで上げているのであろう能力を使っているが、それよりも遥かに速く空は蜘蛛の群がりに辿り着いた。 まさに驚くほどの駿足。 空が立ち止まると、その強烈なスピードを急激に止めたせいか、足裏から地面に亀裂が走った。 高く積み重なる白い蜘蛛の群れ。 重なった蜘蛛達は、うじゃうじゃと動き続ける。 先に飛び込んだ人形三体が蹴散らしてはいるが、あまりの多さに蜘蛛に飲まれ始めていた。 殺られても殺られても、新たに次々と攻めてくる蜘蛛達。 「キーン!出でよ!神刀!」 空は群がりの前で、腰に差していた短剣を引き抜く。 すると、短剣の先から刀身の形をした光が一直線に伸びて輝きを放った。 空が持つ短剣は長い刀の形へと姿を変える。 「いっけえぇえ!」 そのまま命力が籠められた刀を構えて、蜘蛛に向かって振り下ろした。 刀からは鋭い衝撃波が放たれ、波を割く様に蜘蛛の群れを蹴散らす。 衝撃波に直撃した蜘蛛達の体は、次々に切り裂かれ地面に落下した。 「すっかりあなたの虜ね」 隣に立つシャルキーは、その姿を見てクスクスと笑っていた。
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