BLACK★STAR

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「おい!コラ!ガキ!邪魔だよ!」 ユキヤが空とルイが動かす人形達の間を縫うようにして、積み重なる蜘蛛達の頭上から巨大粘土を作り一気に潰す。 凄まじい地響きと共に、運よく逃れた蜘蛛達は、ユキヤの見えない巨大粘土によじ登りながら再び殺意を向けた。 その数は、まだまだ数え切れないほどうじゃうじゃとしている。 門には入れさせまいとしているのか、蜘蛛達がその場から動くことはなかった。 あくまで門に近づく奴に攻撃をするわけか。 一向に減ることがない白い蜘蛛達。 見誤ったな。もしかしたら一万匹はいるかもしれない。 空、ルイ、ユキヤがそれぞれ攻撃を繰り返し、蜘蛛達を撃破していってはいるが、こっちが圧倒的に優勢ではあるものの相当な時間を要することが窺える。 「二宮!」 俺は、離れた場所で一人佇む二宮に呼びかけた。 どこから取り出したのかは知らないが、手にはゴツい体とぴっちりとしたスーツには似合わない“メロンソーダ”入りのペットボトルを持っている。 「何だ?いいのか?」 低い声から放たれたのは、確認の言葉。 俺はその問いに小さく頷いてから答えた。 「一気に片づけろ!」 「了解」
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