BLACK★STAR

18/20
前へ
/22ページ
次へ
「スゲー!スゲー!」 ルイはその姿を見て、甲高い声で感嘆の言葉を発した。 「二宮おじちゃん!カッコイイ!」 その隣に立つ空が、興奮しながら何度も跳び跳ねる。 少し離れた場所では、ユキヤが気に食わなさそうな顔で二宮を見ていた。 冷たい視線から感じるのは、嫉妬などの生易しいものではなく、深い殺気が込められた鋭い目つき。 お前の力じゃ、まだポセイドンは操れないもんな。 「でも、あれ凄すぎだよね……」 後方に待機した天海は、パソコンを弄りポセイドンのデータを取っていた。 「ブウウウゥウゥン!出た!出た!体の中にとんでもないエネルギーを溜め込んでいるわ!測定不能!何これ。命力かしら……」 息を飲んだのは、二宮が纏ったポセイドンから発せられる強烈な嫌悪感から。 それは、正義から遠く離れた邪悪な力。 純粋なる暴力という文字通りの言葉に、身を任せただけのような。 群がる蜘蛛達は、無心に門を守っているだけなのかもしれないな。 「貴方達は貪欲に、あまりにも力を欲しすぎていますわ」 卑弥呼の言葉が静けさの中で響き渡る。 その直後、全員が見守る中、二宮の体からは強烈な光が発せられた。 目映い視界の向こう側では、美しい虹の花畑が焼かれていく。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

456人が本棚に入れています
本棚に追加