BLACK★STAR

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二宮が立つ位置より前方。 それは瞬く間の出来事だった。 爆発とは何かが違う、常識から外れた桁違いの大きな力。 神刀が、新撰組屯所を真っ二つにした時の力を彷彿とさせる。 これがポセイドン……。 蜘蛛達には、反撃する時間は寸分足りとも与えられることはなかった。 そればかりではなく、つい先ほどまで広がっていた美しい虹色の畑は、燃え上がる炎によって一瞬にして灰に変えられてしまった。 二宮が立つ位置より前方は、全て火の海に包まれている。 燃え上がる炎の向こう側からは、蜘蛛達の断末魔が聞こえてくるような気がした。 「大将。終わったぜ」 二宮が能力を解除すると、炎は幻であったかの様に一瞬にして消失する。 焼け野原となった跡地には、地獄へ繋がる門だけが立っていた。 「よし。行くぞ」 俺達が歩く先には、何も残す必要はない。 ただ求めるものだけを手に入れればいい。 「待ってろよ。京香」 そう。求める者を救えれば。 もうすぐだ。
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