BLACK★STAR

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その姿を確認して、全員の士気が急激に高まる。 俺は神刀の柄を握り締めた。 目測で敵との距離は約800メートル前後。 敵の攻撃範囲がわからないうちは、この距離からでも警戒は怠らない方がいい。 「天国の様な景色から地獄が現れるってわけか!」 好奇心旺盛なユキヤは走り出して、空とルイがいる位置よりさらに前へ出た。 「ちょっと!あたしに行かせてよ!“新しい人形”を試したいんだから!」 その様子を見たルイは、前に出たユキヤの行動を制止しようとしたがそれを無視して敵へ一直線に向かっていく。 「ちょっと!勝手な行動をとらないでよ!」 パソコンのキーボードを叩き、すかさず目標までの配置の指示を出そうとしていた天海がそんなルイとユキヤの行動に向かって怒鳴り声をあげた。 地中から現れたのは、まるで俺達を歓迎するかの様に現れた巨大な門。 美しい花畑からかけ離れた地獄を思わせる不気味で暗い淵に、扉は血に染められた様に真っ赤だった。 その巨大な門の前に構えた、同じく巨大な生物。 あまりの大きさに奴の上部は見えないものの、正面から見た形は、八本の細長い足にその根元にはずっしりとした黒い胴体。 生気のない殺意に塗れた赤い瞳は、俺達の姿を捉えていた。 門番は巨大な蜘蛛か。 隣でシャルキーが独り言の様に呟く。 「あそこが本当のメインストーリーの入口のようね」
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