BLACK★STAR

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臨戦体勢へ移行したのはシャルキーも同様。敵の攻撃範囲が未知数なことから、同じくこの距離からでも警戒は怠っていない。 シャルキーの能力だけは俺も知らないからな。 ブラックスターの中で、客観的に見ても群を抜いてシャルキーは天性のモノを持っている。 唯一、ほとんど単独行動で自分を鍛え上げてレベルも一万を超した。 俺としては、能力が謎なシャルキーに戦って欲しい望みはあるが。 新撰組を潰す際にも、重要視していたミラとセスを殺ったのはシャルキーだしな。 しかし、シャルキーはルイやユキヤの様に前へ出ない。 ローブに被された深い瞳は、冷静に巨大蜘蛛を見定めていた。 仕方ねえな。ユキヤ、ルイが先陣を切るなら、そのまま空を中堅に置いて、後方に俺、二宮、シャルキー、最後方に天海でいくか。 卑弥呼は離れた場所で、待機していてもらえばいい。 この陣形は、対多人数を想定した場合に最も理想的な配置だったはず。 「二宮!空のバックアップ!」 二宮はその一言で理解し、一度俺の方を見て頷いてから、相変わらずスーツのポケットに手を突っ込んだまま敵の方角へ向かって歩き出した。 敵は巨大な蜘蛛一匹。 さて、メインストーリーの入口に立つ化け物がどんなモノなのか見物だな。
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