シンデレラ

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「和也君は、シンデレラってお話知ってるよね?」 謎のロボットに襲撃された後、俺達は無事に空港へ辿り着き、四人で飛行機に乗った。 どうやって海外へ行くのか気になっていたのだが、結果的には現実世界とさほど変わりはなく、何の変哲もない普通の旅客機に乗っていく。 ただし、現実世界と異なるのは海外へ行く際にパスポートが要らないこと。 また飛行機は、コンピューターキャラクターによって操縦されている。 荷物検査などもなく、手続きさえすれば簡単に乗れてしまう。 そもそも荷物検査なんてあったら、光刀や仁の鎌は通るはずがないんだけれども。 飛行機に乗るための運賃は、搭乗の際にDIMから支払う形のなっていたのだが、驚いたのは料金が現実世界の約4倍近くすることだった。 ブラックアウト内で、なかなか他国へ手が伸びないのはそのせいなのかもしれない。 そんなことを考えながら、俺は空港の利用書を読み返していた。 静まり返る機内。広い機内にも関わらず、俺達以外に客は一人もいない。 美沙は座席を倒して、アイマスクをしながらグッスリと寝ている様子だった。 仁はノートパソコンを開いて、頻りに何かを打ち込んでいる。 そんな中、通路を間に挟んですぐそばの座席に座る杏奈が、予め仁が用意していたシンデレラの絵本を手にしながら話しかけてきた。 「知ってるよ」 「どんなクエストなんだろうね」 杏奈の表情は心なしかわくわくしている様に見えた。
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