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窓から見た景色とほぼ平行になると、改めてその広さを実感する。
見渡す限りに続く更地は、燦々とした太陽の光に照らされ白い輝きを放っていた。
飛行機の窓から見た所々に立つ木は、地上から見るとかなり大きな大樹であったことを知らされる。
水気を全く感じさせない地に、緑の葉を生い茂らせた美しい大木。
不釣り合いなその景色は、どことなく幻想的な雰囲気を醸し出していた。
でも……クエストボックスはどこにあるんだろ。
それらしい物が見当たらない。
寧ろ、空港と大樹以外は何もない。
空港とは呼んだものの、大きなフェンスで囲ってあるだけで、離着陸のための舗装された道路以外は搭乗手続きを行うための機械が一台あるだけで、かなりお粗末なものだ。
「何もねえな」
もう一度、注意深く見渡しているが、やはりそれらしき物は見当たらない。
「ねぇ!あれ、何?」
そんな中、美沙が俺とは逆の方向を見て、何かを指差しながら声を出す。
俺達は一斉にその方角へ視線を集めた。
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