シンデレラ

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しかし、その先に視線を移しても、やはりそれらしき物は何も見当たらない。 「どこにあるんだよ。何もないじゃん」 俺の問いに、仁は指差した方角へゆっくりと歩き出す。 「空港から南西へ250メートル地点。飛行機を降りた時にコンパスで方角は確認したから、ちょうどあの辺りのはずなんだ」 そう言いながら、徐にポケットからDIMを取り出して画面を見る。 「まだ時間が大分早いからな」 時間?  クエストに時間が関係あるのか? 「わかった!」 仁の姿を見ていた美沙が、閃いた表情で前に出て口を開く。 「今回のクエストは、土の中に埋まっていて掘り起こすとか!?」 杏奈は美沙の推理に、穏やかに微笑んだ。 土の中に埋まってるって、それがどう時間と関係あるんだよ。 俺も美沙の言葉で笑いそうになった時、仁が一度頷いて答えた。 「半分正解かな」 と言いながら、仁は俺と美沙と杏奈を見渡す。 「地中から出てくるんだよ。シンデレラクエストに関しては情報を完璧に仕入れたから間違いない」 仁の背中から顔を出した鎌の刃が鋭く光る。 「それはシンデレラの魔法が切れる午前0時。 夢のような出来事の終わりを告げる時刻に、闇が広がる空の麓で始まりを誘う城が姿を現す。 公式に発表されているシンデレラクエストの概要だよ」
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